ソフトバンク銀座

店内のどの場所でも決済できるようにすることで、接客や契約業務とお客さまのお支払いを、シームレスにつなぐ。それを実現するのが、持ち運びを前提とした小型コードレス端末=モバイル決済端末です。ただ、その特性柄、電波やバッテリーなどの問題が生じやすかったりも…。

そうしたモバイル決済端末のデメリットを、「PayCAS Mobile」を採用することで解消したのが、ソフトバンクショップの旗艦店・ソフトバンク銀座です。

導入前に抱えていた課題から、その後の劇的な変化までを、導入を担当した・白田仁さん、そして副店長として端末を運用する・奥俊介さんに話を聞きました。

ソフトバンク銀座について

銀座駅を出てすぐの中央通り沿いに位置する、ソフトバンクショップの旗艦店。店舗は1・2階にまたがり、売り場面積は直営店の中でも最大規模を誇る。同社の記者発表やセレモニーを行う場としても活用される。

以前の決済端末は場所によって電波の不具合が

sbginza_01 右:導入担当者/ソフトバンク株式会社 白田仁さま
左:店舗担当者/ソフトバンク株式会社 奥俊介さま

PayCAS Mobile導入前は、どのような決済オペレーションを行っていましたか?

白田さん:以前もソフトバンク直営店舗では、クレジットカードによる決済を、モバイル決済端末でお受けしていました。端末は、店舗の1階と2階に1台ずつの、計2台。その端末の保守対応の終了にともない、代替となる端末を探すことになりました。

奥さん:当店では、携帯電話の契約とあわせてケースや保護フィルムなどアクセサリー類を購入されるお客さまが多く、キャッシュレス決済のおよそ7割が店内各所のお席で行われます。その場合、決済端末をお席にお持ちする形になります。なお、クレジットカードによる決済は、全体の約4割。1日平均10件前後のクレジットカード決済が行われます。

モバイル決済端末を使用した決済に、何か課題は感じていましたか?

奥さん:いくつか困っていることがありました。一つは、電波の問題です。レジにて端末を使う際には基本的に問題ないのですが、端末を他の場所へ持ち運んだ際に、場所によっては遅延やエラーの起こることがありました。

もう一つは、バッテリーの問題です。以前の端末は、数年使ううちに、バッテリーが1日ももたなくなっていました。したがって、お席に持っていきお客さまに暗証番号を押してもらっている最中にバッテリーが切れてしまったり、あるいは1台のバッテリーが切れたために2階から1階まで端末を急いで取りに行ったりすることがありました。

白田さん:また端末が1台しかない店舗の場合、バッテリーが切れたらクレジットカード決済自体ができなくなるだけに、ヒヤヒヤしながら日々使っていたとの声も聞いています。店舗から「新しい端末、まだきませんか!?」といった連絡が入ることも、しばしばありました。緊急的な措置として、閉店した店舗のバッテリーを急いで店舗に送ったこともあります。

そのような状況の中、次の端末としてPayCAS Mobileを選んだ理由は何でしょう?

白田さん:まずは、モバイル性です。片手で持ち運べ、かつ手前味噌にはなりますがソフトバンクのSIMを使用しているだけに、電波の不具合が起こりにくいだろうと思いました。また、大容量バッテリーを使用している点もポイントになりました。

もう一つ念頭にあったのが、バックオフィスの効率化です。これまでクレジットカード会社ごとに契約や経理処理のやりとりを行っていたのを、ある程度まとめられるとのことで、それも魅力でした。

そうしたことから、銀座店を含めたすべてのソフトバンク直営店に、計14台のPayCAS Mobileを導入する運びとなりました。

モバイル決済端末のメリットが明確に 

それでは、実際にPayCAS Mobileを使ってみた感想をお聞かせください。

奥さん:まず感じたのが、導入の簡便さです。必要な初期設定がほとんどなく、また直感的に使える設計になっているので、とくにマニュアルなどを見ることなく5分ほどで実際の決済に使えるようになりました。店舗スタッフからも、フルカラーで画面も大きくて使いやすいと好評です。

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懸案だった「電波の不具合」に関しては、いかがでしたか?

奥さん:導入から2か月ほど経ちましたが、以前にあった「店舗内の●●で使ったところ、通信が行えなかった」や「決済の途中で通信エラーが起こった」といった話は、スタッフから一切出ていません。また、通信の速度自体が、かなり速くなったと感じています。おかげで決済にかかる時間が、明らかに短くなっています。

バッテリー問題は解消されましたか?

奥さん:以前であれば1日1回以上は充電する必要があったのに対し、今は3日くらい充電しなくても問題なく使用できます。もちろん端末が新しいのもあるでしょうが、充電のことを心配したり、別の階からもう一つの端末を持ってきたりする必要がなくなり、精神的にも物理的にも負担が軽くなりました。

このように端末がPayCAS Mobileになったことで、「接客やご契約などの延長線上で、スムーズな決済が可能」というモバイル決済端末のメリットを、より明確に享受できるようになったと感じています。

他には、決済オペレーションで何か変わった点はありますか?

奥さん:お客さまにご署名いただく場合、以前はレシートを印字し、そこにペンで書いていただく形でした。対してPayCAS Mobileは、タッチパネル式の画面に、指で直接ご署名いただく形です。これにより純粋に時短になりましたし、従業員用の署名欄に誤って署名してしまうといった間違いもなくなり、その点でもオペレーションがかなり楽になっています。

それともう一点、非常に便利だと感じているのが、クレジットカードの「タッチ決済」に対応していることです。

決済業務がさまざまな側面から効率化

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タッチ決済は、具体的にどのようなメリットを生んでいますか?

奥さん:スタッフがお客さまからカードを受け取り、端末で読み込み、カードをお返しするというのが従来型のアクションです。それがタッチ決済なら、お客さま自身がカードを端末にさっと近づけるだけで済むので、お客さま・スタッフ双方のアクションがグッと簡略化されます。実際に決済にかかる時間も、これだけで数十秒は早くなるでしょう。また、カードをお客さまにお返しし忘れることも、決して起こりません。

したがって、スタッフには「タッチ決済ができるカードの場合は、タッチ決済をおすすめするように」と伝えています。現状ではクレジットカードによってタッチ決済機能が付いているものと付いていないものがあり、お客さま自身が気づいていないケースもありますので、そこは今後も丁寧にお伝えしていきたいなと思います。

最近はコンビニエンスストアなどでもタッチ決済が普及しているので、お客さまの方から「タッチでお願いします」と言われることがあります。その際に、「対応していません」とお断りせずにすむのはありがたいですね。

それと、このご時世ですので、カードが他人の手に触れることを気にされるお客さまもいらっしゃいます。そうしたお客さまのご心配も、タッチ決済なら解消できます。接触の話で言えば、もともと私どもの方でも、決済が終わるたびに端末を一回一回クリーニングしていました。その点でも、ボタン式の端末に比べてタッチパネル式の方が圧倒的に汚れを拭き取りやすく、オペレーションの効率化を後押ししています。

お客さまからPayCAS Mobileに対し、何かフィードバックの声はありましたか?

奥さん:やはりタッチ決済やタッチパネルに対して、「今はこういうふうになっているんだ」「便利だね」と言っていただけることが多いです。

タッチパネルに関しては、年配のお客さまから「ボタン式は押しづらかったけど、タッチパネル式になって、押しやすくなった」とのお話もいただきました。それもあってか、以前は暗所番号の押し間違いでエラーとなり、決済のお手続きが止まってしまうこともありましたが、タッチパネル式になってそれがなくなりました。

目的の一つだった「バックオフィスの効率化」については、実現できましたか?

白田さん:PayCAS Mobileに切り替えたことで、これまで3つのルートで行っていたクレジットカード会社とのやりとりを、2つのルートにまとめられました。たった1つの削減とはいえ2/3になったわけですし、頻繁にやりとりが発生するだけに、効果は大きいです。

対クレジットカード会社のやりとりの一本化も可能とのことなので、手数料率を鑑みながら、一本化も検討したいです。

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今後、店舗運営をどのように展開していきたいですか?

白田さん:端末をPayCAS Mobileに切り替えたことで、決済にかかるお客さまの負担を減らせたのとあわせ、スタッフの労力も軽くなりました。ぜひそのぶんのリソースを、店舗での商品説明やお問い合わせ対応、そしてバックオフィスでのデータ分析や施策立案に充て、店舗運営をいっそう充実させていきたいです。

(2023年3月28日)