たとえば街で長く続く定食屋さんのように、頼りになって、誰でも気軽に利用できるショップにしたい。そんな方針の一環としてキャッシュレス決済端末(スマート決済端末、モバイル決済端末)を導入し、支払い時の“安心感”を高めたのが、プロも通う長野のスノーボードショップ・シュナイダーです。
決済端末の導入が、安心感の醸成にどうつながったのか。オーナーの山岸英二さんに、導入前に抱えていた決済に関する課題感とあわせてうかがいました。
シュナイダーについて
開店は1988年。全国でも屈指の老舗スノーボード専門店。フリースタイル、アルペン、バックカントリーなど幅広いジャンルをカバーするほか、修理・メンテナンスにも力を入れている。プロライダーが利用するプロショップでもあり、また店ではスケートボードも扱う。オーナーの山岸さんは、スノーボードの元選手。https://schneider3080.wixsite.com/magick
QR決済のオペレーションに感じていた限界
もともとは、どのような形でお客さまの支払いを受け付けていましたか?
現金以外にはクレジットカードとQR決済でのお支払いを受け付けていました。クレジットカードは専用の端末を使って決済を、QR決済はお客さまがコードを読み取り、支払い金額を打ち込む形(ユーザースキャン方式)で決済を行っていました。
うちはスノーボードや周辺アイテムを扱っているので、高額決済が多いです。そのこともあって、キャッシュレスで支払われるお客さまが多いですね。
決済に関して、何か課題は感じていましたか?
QR決済を受け付ける際のオペレーションに、やや限界を感じていました。
うちの店では、ほとんどのQR決済ブランドを使えるようにしています。ブランドを限定してしまうより、いろんな窓口があった方が、お客さまにはうれしいだろうなと思ったからですね。「今はこっちのポイントを貯めているから」、「今日はこのブランドで」といった使い分けもできますので。
そうなるとレジカウンターには、QRコードの載ったパネルをズラッと並べることになりました。パネルは場所をとるし、散らかるし、決済のたびに特定のものを探すのが面倒くさいなと感じていましたね。あと、入金が決済ブランドごとにバラバラに行われるので、入金確認も大変でした。
お客さまファーストだからこその課題ですね。
そうですね。それとQR決済に関しては、お客さまにコードの読み込みと金額の打ち込みをお願いする点にも、課題を感じていました。
コンビニなどでQR決済で支払うと、ピッと一度読み込んでもらうだけで支払いが完了できて、やっぱり速いし楽だなと感じます。対してお客さまに金額入力をお願いする方式だと、お客さまの手間がかかるし、ときにはエラーでうまく決済できないときもあったりするんですよね。
それと一番の課題に感じていたのが、QR決済で高額の支払いを受け付ける場面です。たとえば10数万円の金額を、お客さまに入力してもらうとなると、お客さま自身も間違いがないか不安を覚えるでしょうし、こちらとしても不安がないわけではない。高額決済がよく行われるからこそ、そのあたりの問題を解決できないかなと考えていました。
お客さまとお店双方の不安が解消された
そこから、何か対策は講じられましたか?
ストアスキャン方式のQR決済に対応した決済端末の導入を検討することにしました。QR決済は、こちらがお客さまのスマホのQRコードを読み込む方式で決済したい。加えて、できればクレジットカード決済もその端末で行えること。いわゆるキャッシュレス決済端末を、いくつか検討しました。
その結果、諸条件が悪くなく、使いやすそうでもあった「PayCAS Mobile」が、候補の筆頭に挙がりました。利用者が一番多いPayPayの決済手数料が、他社だと現状より高くなるのに対し、PayCAS Mobileなら現状すえおきになる点も大きな魅力でしたね。
そうした経緯から、当店では2022年9月よりPayCAS Mobileを導入しました。
実際に、新しい端末でQR決済を行ってみて、いかがでしたか?
やっぱり、こちらでお客さまのQRコードをピッと読み込む方式の方が、断然いいなと感じました。これならお客さまに手間がかからず、金額を打ち間違える心配もない。さらにはPayCAS Mobile自体から、控えがすみやかに出てくるので、お客さまとしても安心感が高いと思います。エラーで決済が行えないこともなくなりましたね。おかげで、各社のQRコードのパネルが必要なくなり、ごっそり片付けることができました。
それと携帯電話会社によっては、店内でスマホの電波が不安定になることがあります。そんなときでもPayCAS Mobileはコードレスなので、電波状況の良い店外に端末を持ち出して決済する、なんてこともできます。
クレジットカードの決済については、いかがでしょう?
実は、PayCAS Mobileを導入する少し前にクレジットカードの決済端末の回線を、電話回線から光回線に切り替えたばかりでした。その決済端末だと決済手数料が少し安いこともあって並行して使おうと考えていたんです。ところがいざPayCAS Mobileを使ってみると、すべてのキャッシュレス決済が一台で済む方が断然便利だと感じ、すぐにクレジットカードの決済端末は使わなくなりました。
一本化されたといえば、以前は会社ごとにバラバラだった入金に関しても、PayCAS Mobileを使うことで全ての決済ブランドの入金が一本化される形になりました。おかげで入金確認をまとめて行えるようになり、入金管理が楽になりました。
ちなみにPayPayに関しては、以前は月1回の入金だったのが、PayCAS Mobileに切り替えてからは月2回の入金サイクルになりました。とくに冬場は金額が大きくなることもあって、その点も非常にありがたいです。
「頼られたらできる限り応える店」が一歩進化
他には、何か変化はありましたか?
地味なんですが、クレジットカード会社にレシートの控えを送らなくてよくなったことです。以前は、クレジットカード会社用の控えを、月に1回送る必要がありました。一方PayCAS Mobileなら、決済と同時にクレジットカード会社に自動で通信が送られるため、控えを送付する必要がないんです。送るのを面倒に感じたり、うっかり忘れたりすることもあったので、これもうれしい変化ですね。
費用感については、いかがでしょう?
以前よりクレジットカードの手数料は少し高くなりましたが、QR決済がやりやすくなり、端末が一台で完結し、事務作業が楽になったことをふまえると、高いとはまったく感じていません。
この先、どのようなショップを目指していきたいですか?
具体的な目標は、とくにありません。僕が目指すのは、絶対につぶれない“街の定食屋さん”みたいなスノーボードショップです。行列ができるようなことはあまりないかもしれないけど、大きな浮き沈みもなく、地元に溶け込み、なくなったらみんなが困るような。そういった定食屋さんは、うちはこれしか出しませんというのではなく、いろいろなメニューがあって、頼まれればメニューにないものを作ったりもする。だから気軽に利用でき、みんなが頼りにしている。
うちもそういう店を目指したいからこそ、売ったら終わりではなく、「売ったら最後まで面倒を見る」の精神で修理やメンテナンスにもしっかり対応する。たとえうちで買った商品じゃなくても、たとえぴったりなパーツがなくても、お客さまが困っていたらなんとかしてあげたい。そうしたことを、今後も続けていきたいなと。
そうした“愛されるショップ”を作るにあたり、PayCAS Mobileは、どのような価値をもたらしましたか?
PayCAS Mobileを導入したことで、お客さまの支払い時の安心感や手軽さが向上しました。それにより、誰もが気軽に入り、頼りたくなる店に近づいたと思います。そう考えるとPayCAS Mobileの導入は、頼まれたらできる限りの修理で応えるのと、同一線上にあることかもしれません。