人力車の会計をスマート化。キャッシュレス決済端末の導入で外国人からも“選ばれる”存在に

株式会社ライズアップ

観光地で移動や観光案内の役割を担う「人力車」。インバウンド需要の増加に伴い、その市場規模は今後、より広がっていくとも予想されます。

この日本の伝統的なアクティビティに、現代の便利なキャッシュレス決済端末(スマート決済端末/モバイル決済端末)を結びつけることで集客力を強化したのが、人力車運営会社・株式会社ライズアップの東京力車です。新端末の導入で、同社がよりお客に“選ばれる”存在になるまでの軌跡を、同社チーフマネージャー・片山舜平さんに聞きました。

東京力車について

東京・浅草の雷門付近を中心に、観光人力車を運営。俥夫の着る赤い法被がトレードマーク。在籍する俥夫は、人力車ひしめく界隈でも最大規模の100名超。所有する人力車は約30台。TikTokやインスタグラムなどSNSでの発信にも力を入れ、数多くのフォロワーを抱える。

営業後の集計が合わず、数時間を費やすことも

tokyo-rickshaw_01

東京力車では、お客さまからの支払いを、どこで受け付けていますか?

お会計は、人力車の乗り場か、そこからすぐ近くの当社チケット売り場のどちらかで行っています。

もともとは、どんな決済方法に対応していましたか?

現金に加え、クレジットカード、QR決済、電子マネーに対応していました。

決済で何か不便な点はありましたか?

クレジットカードと電子マネーは専用の端末で決済し、QR決済はお客さまにスマホでQRコードを読み込んでいただく形で決済していたのですが、そのように決済ごとにツールを変えなくてはいけない点が非常に不便でした。お客さまにお支払いのご案内をするのにひと手間かかりますし、その分時間もかかってしまいますので。

加えて、営業後の売上集計の際に、各決済ブランドをどれだけ使ったかを確認するのが大変で、集計の数字と現金が合わないこともたびたびありました。その場合、履歴を見直したり現金を数え直したりして原因を見つける必要があり、それに数時間を費やすこともありまして……。その点も端末を切り替える大きなモチベーションの一つとなりました。

また決済ブランドに関しても、あらかた対応はしていたものの、一部対応できないブランドがありました。

そのような中、各ブランドの決済を一台の端末に一本化できる「PayCAS Mobile」の存在を教えていただき、乗り場用とチケット売り場用に計2台、導入する運びとなったのです。

決済の一本化で会計にかかる時間が大幅に短縮

tokyo-rickshaw_03

 

実際にPayCAS Mobileを導入してみた際の、率直な感想をお聞かせください。

すべてのキャッシュレス決済の受け取り対応をPayCAS Mobile上で一本化でき、かつ端末操作もスムーズなので、決済にかかる時間が大幅に短縮できました。

あわせて、持ち運び可能なモバイル端末でありながら以前の端末より画面が大きく、私たちもお客さまも見やすくなりました。

決済アクションを短時間で済ませられることのメリットは、何でしょうか。

さまざまなメリットがあります。

まずは、混雑を緩和できることです。当社では、時間帯によってはお客さまが集中し、並びが発生します。特にランチ前の11時頃や、ランチ後の14時頃は、混雑が起こりがちです。そのような時に会計にもたついてしまうと、混雑がよりひどくなるので、お支払いのスピードが速いことに越したことはありません。混雑具合を見て、それならと別の会社の人力車に移る方もいるでしょうから、そうした“取り逃し”も減らせます。

もちろん、お客さまの満足度や体験価値を高められる点もメリットです。会計が速くなれば、私たちもお客さまとのコミュニケーションにより多くの時間を割けますので。

対応できる決済ブランド数に関しては、どうなりましたか?

いくつかのブランドが新たに使えるようになり、ほぼすべてのキャッシュレス決済ブランドに対応できる形となりました。ブランド数が増えたことも、確実に営業のプラスになっています。特に、当社は外国人のお客さまが平均4割を占めるので、ブランド数の多さは大きな強みとなります。

やはり外国人のお客さまは、キャッシュレスで支払うケースが多いですか?

そうですね。キャッシュレスであれば両替をして現金を用意する必要もないので、クレジットカードやスマホを使って支払われる方が多い印象です。

当社では売り場の窓口に、対応する決済ブランドの一覧表を貼り出していて、それを見て決めてくださる方もいると思います。このブランドが使えるのであれば、この人力車に乗ろうとなりますよね。たとえば中国の方であればWeChatかAlipayというように、よく使われるブランドは国籍などによっても変わってきますので、やはり幅広い決済ブランドに対応することは重要です。

レシートで“安心感”という付加価値をプラス

tokyo-rickshaw_02

 

他にPayCAS Mobileを導入して変わったことはありますか?

以前の端末はプリンター機能が付いていませんでしたが、PayCAS Mobileはプリンター内蔵型で、端末からレシートが出るようになりました。これにより、決済完了と同時にレシートが出力され、それをお客さまに渡せるようになりました。

お客さまのなかには、正しい金額で払われたか、決済が二度行われていないか、などが心配な方もいると思うので、レシートによって安心という付加価値をプラスできます。それと、お客さま用レシートとあわせ、店舗用控えが出力されるのも便利です。

以前はキャッシュレスで決済いただいたことを俥夫に口頭で伝えていましたが、時には2名さまのうち一人が現金で一人がキャッシュレスといったケースもあったりして、俥夫が決済方法を忘れてしまうこともありました。特に、夏場に車を引いていると、頭がなかなか回らなかったりもしますので……(笑)。それが今では、店舗用控えをそのまま俥夫に渡せるようになり、間違いも起こりにくくなりました。

では、営業後の集計作業はどうなりましたか?

キャッシュレス決済がPayCAS Mobileに一本化されたことと、店舗用控えを俥夫に渡せるようになったことなどにより集計作業が楽になり、数字が合わないこともほぼなくなりました。そこも、非常にありがたい部分です。

それは本当によかったです。ちなみに、端末の操作のわかりやすさに関しては、いかがでしょうか。

とてもわかりやすくて、すぐに使えるようになりました。周りのスタッフも、特にレクチャーなどはしていませんが、問題なく使えています。

あらためて、PayCAS Mobileが東京力車にもたらしたものとは?

決済を迅速に行えるようになり、使える決済ブランドが広がり、レシートのお渡しによってお客さまの安心感も高められた。そうして決済まわりが“スマート化”されたことで、日本人のお客さまにも外国人のお客さまにも、より「選ばれる人力車」になったのではないでしょうか。

東京力車の今後の展望をお聞かせください。

当社は「お客さまを絶対に楽しませる」ことをモットーに、人力車事業を営んでいます。エンタテインメント性やホスピタリティでは絶対の自信を持っていますので、その強みを生かして一人でも多くのお客さまに素敵な思い出を残せるよう、引き続きメディア発信にも注力しながらがんばって参ります。「浅草といえば東京力車」という存在になりたいです。

(2024年2月21日)